レースなどのミニ四駆イベント運営について…1997/02/22 1.04版


《目次》各項目をクリックするとジャンプします。
はじめに… 必ず読んでくださいね。
準備…
○だれを主役にするのだろう?
○コースはどうするの?
○そんでもって基礎知識です。
○次に場所です。
レースの事前のお知らせなど…
○広告を出すのか…
スタッフなど、人手は…
○受付け
○会場整理
○記録係
○計時係
○司会、案内などのアナウンス
時間の目安…
○1分で何人さばけるだろうか…?
サーキットエリアを明確に…
○サーキットエリアを明確にする。
○「見せる」ということも考える。
○エリア内での選手の行動の制限
レースの形式の決定…
○何セット走るのか?…
○予選、決勝…
○予選で何人決勝に進められるのか…
○敗者復活の設定…
○予選と決勝はレイアウトを変えるか?
○車検ができない!!
レース中に注意すること…
○盗難、紛失その他の事故を充分注意させ防止すること。
○通常は競技走行中のトラブル
○危険な改造マシンは遠慮してもらう。
参加者側に知らせるべきこと…
○ルールはどうなってる
○いま何をしているのか
○受付に並ぶ場所と、最後尾
○予選終了時間のおおよそのところ
○決勝者の発表方法
○他にやっていることはあるのか
車検に関して…

 


はじめに…
同じミニ四駆erでも『走らせたいだけ…ツーリング指向』『とにかく速さだ!…レース指向』と大きく二つに分けられます。小さな子供を例にとると、それらは特によくわかります。
ミニ四駆イコール、レースと考えるのももちろん正解ですが、それだけでありません。
ミニ四駆は子供たちの未来と夢を乗せています。子供たちを中心に据えた運営を行って欲しいものです。

また、『レース運営について』と表題にしていますが、必ずしもこれに当てはまるものではなく運営形態は実にさまざまであります。亀戸十三間通商店街では、フリー走行会とレースを分けて行っており『レース一色』『走らせるだけ』と、割り切りを含めやすい環境になっています。
もし、運営をする、任された、やってみたいというのであればアドバイス程度ですが、お手伝いさせていただきます。
その際は、メールなどで繁雑になることを避けたいので、なるべく具体的な内容(あなたの立場や予算やスタッフ人員の技量、会場の広さは必須)で詳細を伝えていただくようお願いします。
また、メールその他でのやり取りをこちらで利用させていただく場合もありますので、それもご了承ください。

 そして、行うのなら1度だけで終わらせずに、なくなるべく多く行って、たくさんの子供たちを楽しませてあげていただきたいです。


準備…
○だれを主役にするのだろう?

本来、ミニ四駆のターゲット層は小学生です。
目的にあわせて考えるのももちろんですが、なるべくならそのへんを中心にイベントを考えましょう。
極端にマニアックな方向に振ると、参加者が限定されてしまいます。
 小学生レベルで楽しめる内容で、レースにするのか、走行会にするのかを決めましょう。

○コースはどうするの?
コースがなければレースも何もあったものではないです。…買うか、借りるかなのですが、一時的にしても基本セットの箱の大きさから、その収納なども要素として考えなくてはなりません。

※買う場合…
なるべく安く済ませたいですよね。
タミヤのJr.サーキットの場合にはオークション相場で9800円(送料別)程です。
中古でも、使用頻度の面で考えると良いものが多いのですが、まれに設置しっぱなしという方もいますので、注意が必要です。
とにかくマメに探してください。

※借りる場合…
タミヤでは、学生向けの貸し出しを行う事を始めたようです。
以前は、レンタル店でも置いていたのですが、もう、ほとんどないと思われます。
持っている人たちが「持ちよる」しか手がないわけです。
かき集めてください。^^;

○そんでもって基礎知識です。
そこら辺の子供に負けないくらいの工作への知識が要求される場面が少なくありません。
がんばって詰め込んだり、自分の経験を最大限に利用してください。
これに関しては、タミヤ・ミニ四駆ガイドブックが基本になります。
しかし、2台くらいは実際にあなたが作るべきです。
○次に場所です。
贅沢な事を言えば…
  サーキットエリア(コースの周りに2メートルはスペースをとる)
  サーキット観戦エリア(広いほど、多くの人が観戦できます)
  選手控えのエリア(予選を勝ち抜いた選手をプールします)
  スタッフエリア(受け付けも含めて運営側の集約地点)
  ミニ四駆よろず相談コーナーなど(観客を分散、飽きさせないために)
 これだけ必要なスペースがあります。
※ワタシがやっているホコ天などであれば、広さには際限がない使い方ができますが、屋上や屋内などで広さが決まっていると、予定を大幅に超える人があふれた場合中止せざるを得ないなど、いろいろな問題が出てきます。


レースの事前のお知らせなど…
○広告を出すのか…
出すのであれば、
  参加資格(年齢の制限など)
  競技内容
  車両規定
  コースレイアウト(必ずしも発表するものではない)
 などを明記します。
それと、エントリーカードを当日参加者に配りますが、それに会場内の案内やタイムスケジュールを含めて印刷しておくと効果的です。
これもイラストなどを多用して良く練って作成するほど、参加者からの質問が激減します。

スタッフなど、人手は…
○受付け(車検を行うのであれば、車検員も数名)

参加票(エントリーカード)を参加者に渡し、参加車両のボディ番号シールを貼ります。
参加資格を掲示し、参加人数に制限もしくは抽選があるのなら、整理券などを用意しておきましょう。
(受付用紙書込み、整理、記録係への受け渡し)
※受け付けは午前で、午後からレース予選というのが望ましいです。
受付けは遅くとも、予選ヒート開始前に終了できるようにしましょう。
スタッフが10名以下であれば、受付けを全員で臨むことが必要です。
受付をしながら、予選を行おうなどと考えないでください。
『ダメだったから…』と何度もチャレンジされたのではたまりませんし、ダブルエントリーは不公平だと思います。(何度でも予選を受けてよいのなら別ですが…)
また、Tシャツやジャンバーや帽子などで何かを統一させて、揃えておく必要もあります。ごたごたになると、スタッフなのか参加者なのか区別が付きませんし、事故や事件(盗難、けんかなど)のもとです。
○会場整理
受付けへの並び順の説明と誘導、エントリーカード配り、サーキットへの入場の案内や誘導
○記録係
タイムや順位の書き込みと、その整理
○計時係
各レーンに2名(人数分のストップウォッチ)
計測ミスを防止する意味でも1競技者に対して2名がつく必要があります
ストップウォッチといえども、事前に充分練習をしてください。
いつ押すのかというタイミングをスタッフでよく話し合ってみてください。けっこうバラバラですよ。
○司会、案内などのアナウンス
マイクを持つべき人
レース進行の人と、会場案内の人を分けてください。
○コースマン
コースアウトマシンなどへの対処やサーキットエリア内の整理
※おおざっぱに「事務処理系」「人員整理系」「競技処理系」の3系統からレース運営が成り立っています。

スムースな運営には知識のあるなしに関わらず、これらのチームワークにあります。
それぞれの分担の位置からアイディアを出し合い、協力して運営してください。


時間の目安…
○1分で何人さばけるだろうか…?
↑この考え方で、大ざっぱですが予想をたてることができます。
「このレイアウトなら…、速い子もいれば遅い子もいるので、平均で20秒かな…。記録でのもたつきも考慮すると… 同じレイアウトを3つ用意すれば…1分で6、7人さばけるね」
「…そうなると、1時間で300人以上は大丈夫だね」
そういった具合に… こういうのの予想をたてるのもおもしろいものです。

サーキットエリアを明確に…
○サーキットエリアを明確にする。
観客を何かでガードして競技を行う空間をサーキットエリアとします。
スタッフが走り回ったりしますので、コース外枠から1メートル以上は空間を開ける必要があります。
また、会場の広さとサーキットエリアのバランスを考えて多くのギャラリーを迎えることができるように工夫してください。
会場の見取図などを選手に渡す用紙の裏などに添付するのも有効です。
○「見せる」ということも考える。
スタッフどうしでレイアウトの見どころを考えるのですが、簡単な図などを用意してシミュレートしておくと良いでしょう。
○エリア内での選手の行動の制限
コースアウトなど走行競技中のトラブルによる競技車両の取り上げはスタッフが行う。
不用意に選手が走り回ったりしてコースの破損や怪我をする可能性があるので、事前の注意はもちろん、競技中でも注意するようにしてください。
コースが大きい場合は、特に混乱を招くのでスタッフの子供でさえエリアには入れさせないようにしたいものです。

レースの形式の決定…
(この選択によって労力と時間が大きく違います)
○何セット走るのか?…
Jr.サーキットの数が少ない場合、予選と決勝でセット数を変えるのも面白いです。
(注:1セット=Jr.サーキットでは3周して元に戻ること)
○予選、決勝…
1台ずつのタイムアタックか? 3台同時の勝抜きか? 3台同時の場合にタイムを計るのは1台だけか? すべてか?
計測は何で行うか? ストップウォッチ、ビースピ、ラップタイマー、その他
予選は何ヒート行うか?
○予選で何人決勝に進められるのか…
何度か経験して、車検のためにマシンを預かるのは無謀であるという結論が出ました。

車検を行う場合でも、なるべく選手とマシンを別にしないほうが良いようです。
では、具体的にどうするか…
それは、椅子などが用意できればベストですが、予選候補者をプールするエリア(パドック風に作ると良いかも…)を別に確保して、予選を通過した選手の目の前で車検を行うのです。
選手にはペンダント型の順位プレートをぶらさげ、予選が終了するかプール人数から漏れるまで会場(サーキットエリア)から出られないようにすることでこちらの管理下に置くのです。
そして、決勝進出者を多くするとそれなりに盛り上がりますが、それだけ事務手続きが増えることを意味します。
ここらへんのバランスはスタッフの人数しだいですね。

○敗者復活の設定…誰を敗者とするか? 設定しない?
設定した場合にどこに組み入れるのか?
これは亀戸独自で行った特別ルールで、予選を限定している場合に参加者が少なくて時間があるようならばリタイヤをした選手のみが2度目の予選を受けられるシステムです。
○コース…予選と決勝はレイアウトを変えるか?
参加者が100名を越えた場合は、2セット程度のレイアウトで2つ以上作って予選をさばいてしまう方が有利
○車検ができない!!
車検は足並みをそろえるという目的もありますが、主催する側の考え方の現われでもあります。
レース運営はもとより、ミニ四駆そのものが初めてだときちんとした車検を行なうのは無理だと思います。『大会をしよう!』と思い立っても、なかなか思うような運営はできないものです。
準備万端のつもりでも、イザ始まると自分の分身が何人も必要に感じると思います。
その最たるものが車検です。
年齢や電池、モータで制限したり、参加するための条件のバランスがとても難しいです。

レース中に注意すること…
○盗難、紛失その他の事故を充分注意させ防止すること。
レーサーズBOXを開かせる時間を制限してください。
子供らは並んでいる時から平気でそこらじゅうに根っこを生やします。
また、レースに夢中になり、持ち物への注意力が散漫になります。
盗難には注意するように呼びかけてください。
○通常は競技走行中、トラブルがあってもマシンのピックアップは選手にさせない。
原則としてスタッフがトラブルを起こしたマシンをピックアップしてください。
子供はどうしても自分のマシンに駆け寄ろうとします。
そのときに、コースを壊されないためにも守らせてください。
(タミヤが行っている耐久レースでは、選手にピックアップさせることになっていますが、あれはコース自体が丈夫なためで、比較的ヤワなJr.サーキットではお薦めしません)
○危険な改造マシンは遠慮してもらう。
見た目にあまりにも危険な車両が参加してきた場合は、遠慮してもらいましょう。
一つの事故が『すべてのミニ四駆』を悪にする可能性もあります。

参加者側に知らせるべきこと…
(ワタシが開催して反省している分を含む)
主催者側にはなかなか見えない参加者側からの「知りたいこと」です。
※これらはなるべくエントリーカードの内容に盛り込んでください。

○ルールはどうなってる

チラシは場所だけ見て詳細を見ない人や口コミだけで来る人が意外と多い。
※スタッフのためにも受付などにわかりやすく掲示する。
○いま何をしているのか
ハタから見ていると現在何をしているのかわかりません。
※進行表などを作成して掲示し、終ったものにチェックする。
※案内役の人を用意してマイクで随時案内をする。
○受付に並ぶ場所と、最後尾
これは重要、予想を越える人数が来るとパニックになります。
※ロープやフェンスなどを用意する必要があります。
※必要があれば最後尾にはプラカードなど
○予選終了時間のおおよそのところ
要は予選を終了した参加者が決勝に残れたのか知りたいだけ
※予選1ヒートごとにタイムで入れ替わる決勝者発表掲示板があるともりあがるかもしれません。
○決勝者の発表方法
あらかじめ掲示板を用意する手もありますが、決勝選手そのものをプールして順位で並べておけば大丈夫でしょう。
※上記と絡みますが、最初から最後まで見ていようという人はいません。
○他にやっていることはあるのか
ミニ四駆関連のグッズを売ってるとか…
人に余裕があるのなら、別のイベントを用意するのも手です。
ワタシのように何度も開催していると、ゼンゼン関係ない業種がタイアップの申し入れをしてくることもあります。
また、そういうツテがあれば、こちらから掛け合うのも手です。

車検に関して…
(これが一番頭を悩ましますね ^^;)
特に制限を設けないか、参加者が絶対に信用できる以外は、参加者の足並みをそろえる(公平さ)という意味でも車検を行う必要あります。
またコースアウトしたマシンや、トラブル、周回遅れでのリタイヤなども含めて、全てのマシンに対して車検を必ずする必要はありません。(要求があればしてもよい)

が、いずれにしても主催者側には「ミニ四駆という商品の知識」がどうしても不可欠で、あらかじめルールを提示したとしても「何がどうしてダメなのか…」までがわかっていないと、参加者から非難を浴びて、レースどころの騒ぎではなくなる可能性もあります。
(基本にして問題がないのは、タミヤミニ四駆ガイドブックの「ミニ四駆競技会規則」です)

ミニ四駆に関する知識がない場合は、コースを解放する走行会にするか、車検をなしにしてしまうなど、割り切って行うしかありませんね。
非常手段としては『電池をアルカリだけに限定』するというのも手ですが、これにしても多少の知識が必要です。
また『マンガン電池』はかなり安いので参加券といっしょに配ってしまい、それで予選を行えば、さらに番狂わせが起こります。

あと、順位は決定しても賞品などはブービー賞や飛び賞の方を豪華にするかして、優勝した人だけが得にならない方向でやるというのも手です。
これならば「大きなコースで走行させてあげるのが目的です」と胸をはれるでしょう?
また、独自の賞を設けるのも手です。(別にその審査員が必要。最年少賞というのは親が作りこんでいる可能性があるので避けること)


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